資本的支出は、「固定費」のことで英語ではCapExと呼びます(キャペックスと読む)
従来のオンプレミスの場合のデータセンターやサーバ構築のための初期費用は資本的支出(CapEx)の一例となります。
データセンターを廃止できるのはパブリッククラウドの特徴です。
パブリッククラウドとは、企業や個人など不特定多数の人に向けて提供されるクラウドを指します。
自社でデータセンターなどの設備を所有する必要がなく、クラウド事業者のデータセンターによって
運用されるコンピューティング資源を必要に応じて利用することができます。
プライベートクラウドとは、特定の企業や組織に向けて提供されるクラウドを指します。
セキュリティ要件など自社のポリシーを適用したい場合や、業務形態に合わせて独自の環境を
構築したい場合の選択肢となり、自社のデータセンターで運用する専用の形態になります。
パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた形態をハイブリッドクラウドと呼びます。
また、オンプレミスとパブリッククラウドを組み合わせた形態もハイブリッドクラウドと呼ぶこともあります。
Hyper-Vとは、マイクロソフトが提供するハイパーバイザーの名前です。ハイパーバイザーとは、
物理的なサーバの中に仮想マシンを起動して実行するためのソフトウェアのことです。Azureでも内部的には
仮想化にHyper-Vが使われていますが、オンプレミスでも利用されるため適切ではありません。
Azure Virtual Networkは、Azure内にプライベートネットワークを構成するための基本的なサービスです。
仮想マシンなどの様々なリソースを他のAzureリソース、インターネット、オンプレミスと接続するために利用します。
Azureポータルで表示されるサービス名は「仮想ネットワーク」で、Vnetと略して呼ぶことも多いです。
Vnetには 10.0.0.0/16 などのプライベートアドレス空間を割り当てて、そのアドレス空間をさらに
10.0.1.0/24 など1つ以上のサブネットに分割します。
仮想マシンなどのリソースはこのサブネットに配置することになります。
また、一つ一つのVnetは独立しているため、別々のVnetに所属する仮想マシン同士は通信することができないようになっています。
まず次の図を見てください。
オンプレミス/IaaS/PaaS/SaaSごとにどこまでがクラウド事業者から提供され、どの部分を利用者が管理すべきかを表しています。
管理範囲 | オンプレミス | IaaS | PaaS | SaaS |
データ | o | o | o | o |
アプリケーション | o | o | o | x |
ランタイム | o | o | x | x |
ミドルウェア | o | o | x | x |
OS | o | o | x | x |
仮想マシン | o | x | x | x |
物理サーバ | o | x | x | x |
ネットワーク | o | x | x | x |
ストレージ | o | x | x | x |
WindowsServerやLinuxなどOSを動かすための仮想マシン、ネットワーク、ストレージなど
基本的な基盤部分に加えて、ミドルウェア、ランタイム、アプリケーション、データなど
レイヤー構造(層)で表現される点をイメージしておくと読み進めやすいと思います。
IaaSは、イアース/アイアースと読みます。
サーバやストレージ、ネットワークなどの物理的なハードウェア資源や仮想化を提供するサービスです。
例えば、仮想サーバやコンテナなどのコンピューティング機能、ディスクや共有サーバなどのストレージ機能、ルータやファイアウォールなどのネットワーク機能が提供されます。
また、仮想サーバではWindowsまたはLinuxのどちらかのOSを選択することができます。利用者がOSをインストールするのは煩わしいため、OSイメージもクラウド事業者から提供されます。
Azureには次のようなIaaSのサービスがあります。
PaaSは、パースと読みます。
IaaSで提供されるインフラ部分に加えて、アプリケーションを動かすためのプラットフォーム一式を提供するサービスです。
例えば、ブラウザからのHTTPリクエストに応答するIISなどのWebサーバ機能、構造化されたデータを保存するSQLServerなどの
データベース機能、Javaなどのプログラムを動かすソフトウェア機能が提供されます。
これらアプリケーションを動かすために必要でOSの機能にないものを「OSとアプリケーションの中間」という意味でミドルウェアと呼びます。
(補助的なソフトウェアをランタイムと呼ぶこともあります)
SaaSは、サース/サーズと読みます。
アプリケーションそのものを提供するサービスです。
新たにアプリケーションを開発することなく、契約すれば使いたい機能をすぐに使い始めることができる点がメリットです。
身近なものだと、SaaSには次のようなサービスがあります。
AzureブランドとしてのSaaSの提供はありませんが、特徴についてはAZ-900試験で問われます。
Azureにおけるデータ転送料金の基本的な考え方は、受信(インバウンド)は無料、送信(アウトバウンド)は有料です。なお、インバウンド/アウトバウンドをイングレス/エグレスと表記する場合もあります。